彼氏の余命を知ってる彼女。


後ろから足音と共に、愛しい人の声が私の名前を呼びながら走ってくるのがわかる。


私はにやける口を抑えながらゆっくり声のした方を振り返った──。


嬉しい気持ちが溢れ出ようとした瞬間、愛しい人、ヒカルの姿を見た瞬間、私は一気にどん底に落ちるような音が自分の中でしたのが聞こえた。


そして、頭の中にフラッシュバックしたかのように、映像が一気に流れ出す。


「ア、アズキ…。ヒカルに具合悪いから先に行くねって言っといて…」


「え?」


アズキの返事を聞く前に私は学校へ向けて全力疾走で走った。


私の元へ走り寄っていたヒカルを置いて──。


    
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