彼氏の余命を知ってる彼女。



「ハァハァ…」


全速力で校内に入り、辿り着いたのは女子トイレの個室の中。


心臓の心拍数が早いため、息切れも激しくなる。


「あれは…本当に夢じゃ…なかったんだ…」


捨て台詞のように静かに呟き、私はその場にしゃがみ込んだ。


ヒカルの姿を見て、昨日見た夢のことを思い出した。


ヒカルの余命があと一ヶ月だってことを────。


それを思い出すきっかけとなった──…ヒカルの頭の上に浮かんで見えた──


“Remaining 29 days”


─残り二十九日─ の文字──…。



    
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