彼氏の余命を知ってる彼女。


「あった」


死神についての本は、様々なストーリー本などあったが、とりあえず“死神とは”という基本的な本をまず手に取った。


その場でパラパラと本を捲り、とりあえず小さな声で口に出して読んでみる。


「一般的に大鎌、もしくは小ぶりな草刈鎌を持ち、黒を基調にした傷んだローブを身にまとった人間の白骨の姿で描かれ、時にミイラ化しているか、完全に白骨化した馬に乗っている事もある。また、脚が存在せず、常に宙に浮遊している状態のものも多く、黒い翼を生やしている姿も描かれる。その大鎌を一度振り上げると、振り下ろされた鎌は必ず何者かの魂を獲ると言われ、死神の鎌から逃れるためには、他の者の魂を捧げなければならないとされる。

基本的に、死神は悪い存在として扱われる事が多いが、死神には『最高神に仕える農夫』という異名もあり、この場合、死神は、『死を迎える予定の人物が魂のみの姿で現世に彷徨い続け悪霊化するのを防ぐ為、冥府へと導いていくという役目を持っている』といわれている」


初めて知る事も書かれており、へぇ、と心の中で感心する。


    


    

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