魂の旅
僕がいつものように

おなかの中でゆらゆら まどろんでいると

柔らかかったおなかが硬くなった。

息が出来ない。苦しい。

誰か僕を助けて。

僕とお母さんを救って。



僕とお母さんは病院にかつぎこまれた。

長い時間がたった。

誰かの声が聞こえる。

「もう大丈夫ですよ。

これからは あまり無理をしないで下さい。

大事な時ですから」

「私の赤ちゃんは?」

「心配ありませんよ。

大丈夫。無事です」

泣いていたお母さんの心が ほっとした。

僕は不安と安心を体験した。


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