魂の旅
僕とお母さんは病院を退院した。

僕は『家』に着いた。

なぜ家だって分かるの?だって?

それはお父さんが

「さあ、隼人。

今日からここがお前の家だよ」って

教えてくれたからさ。


僕は ほとんど寝て過ごした。

寝ると身体が大きくなるから。

あとね、この身体はひどく窮屈で

重いんだ。

ごろごろ転がすにはね。


僕は よく自分の手を見て遊んだ。

不思議でたまらない。

あんなに小さな細胞がこんなに

大きくなるなんて。

僕の『心』は身体とお母さんが1つだって

思ってる。

だからお母さんが傍を離れるとき

不安になって泣くんだ。

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