魂の旅
おなかの中は、ゆらりゆらりと

とても気持ちがいい。

暖かく、穏やかで、僕はいつも笑っている。

お母さんが優しく僕に語りかける。

「早く貴方に逢いたいわ」

僕もお母さんに語りかける。

「僕も早くお母さんに会いたい」

お父さんも時々僕に語りかける。

「坊主、一緒にキャッチボールしよな」

お母さんの声がする。

「まだ男の子か女の子か分からないのよ」

お父さんが言う。

「どっちだっていいさ。

一緒に遊ぼうな」

僕に語りかける声は優しくて、暖かい。

ふわふわふわふわ。

天国の雲に乗って遊んでいるみたい。

これが幸福っていうものなんだろう。

僕は幸福を体験した。
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