一瞬の好き
莉子は頬を膨らまして少し拗ねていた。
可愛い…。
莉子はあまり拗ねないから、楽しい。
あたしって……
S!?
ではないか。
あたし…何で自分に突っ込んでるだろう…。
馬鹿だ…。
そんな事を考えながら足元を見て歩いていた。
「咲羅!どこ見てんのよ。」
「ごめん。考えて事。」
あれ?
どこ?
いつの間にか、クラスの名簿が貼ってある大きな掲示板の前にいた。
莉子は真面目そうに掲示板を見て、あたしの方を見た。
なんか…
今にも泣き出しそうな顔をしている。
泣くって言っても嬉し泣きだね。
その瞬間、あたしに抱き着いて来た。
「咲羅~!同じクラスだよ!」
「…えっ?……」
同じクラス?
誰が…?
あたしと莉子…
が……?