一瞬の好き
声が少しずつ大きくなってくる。
こっちにくるの……?
「っ……」
すぐ近くに居るとは知らず、声が聞こえる方を見たら
大塚優子が居た……。
なんであたしの方に歩いて来るの……?
あたしは目線を自分の足元に向けた。
莉子…。
早く帰ってきて……。
願ってた時、誰かが話しかけてきた。
「ちょっと良い?」
あたしは声が聞こえた方に目線を映した。
大塚優子だ…。
「……はい…」
そう言って、大塚優子の後ろに付いて行った。
あたしと大塚優子が来た場所は人が誰も通らないような場所だった。
あたしを呼んで何がしたいのか、分からない。
急に大塚優子はあたしの方を見て
「あのさ、剣道辞めてくんない?」
「……えっ…?」