俺様王子のお気に入り
「あー、終わった終わった。ねー鈴乃…って、あんた、顔赤くない? どしたの」
挨拶が終わると、美菜は椅子に座って、くるりと私のほうを向く。
「赤い…? そう?」
私は返事をすると、顔に手を当ててみた。
赤い…ってゆうのは見えないけど、熱い。
手、冷たいから気持ちいいや…
「おーい、桜木――! 神崎が呼んでるぞ~」
顔に手を当てながら目をつぶっていると、後ろからそう声がした。
神崎…、翔か。