俺様王子のお気に入り
「い、いいっていいって!! 寒いし! てか、翔ってそんなに紳士的だったけ?!」
翔の紳士的発言に、かなり一人でびっくりしてる私。
「紳士的ってお前… ふつーだろ、家まで送るとか」
おかしそうに笑う翔の口から、白い息が出ては消える。
「いやいや、いいって…」
「ストーカーが近くにいるかもしれないだろ。何のためのボディガードなんだよ、遠慮すんなって」
ぽん、と頭に手を乗せて、「な」と微笑む翔。
……そんなこと言われたら、
「………どうも」
…もう、断れない。