俺様王子のお気に入り
「ストーカーしてたのは俺だけど?」
翔の挑発的態度に動じず、淡々とした口調で言うフード男。
「…ふーん? 何でだよ?」
「……別に」
一歩ずつフード男に近づく翔。
フード男は尚も冷静に、必要最低限な単語しか翔に発しない。
「別に、じゃねーだろ。何か理由があってやったんだろ?」
「……」
「何とか言えよっ!!」
ついに黙ってしまったフード男に、痺れを切らした翔がキレた。
拳をフード男に向かって振り落す。
「…っ」
私はまた、反射的に目を瞑った。