俺様王子のお気に入り
「絶ッ対嫌」
もちろん、私は即答でお断り。
誰が、こんな腹黒ナルシ男のお気に入り(?)なんかなるもんか。
「じゃぁこれで…」
「待て」
即答した私はすぐさまその場を去ろうとした…んだけど、また神崎翔に呼び止められた。
「もう、あんたは何なのよ。私はあんたのお気に入りなんて、絶対い…」
「あー、嫌って拒否ったら、俺の唇でお前のその口塞いでやろーかなー」
また、「絶対嫌」と言おうとした私の声を遮って、神崎翔は余裕の笑みを浮かべてその言葉を口にした。
「――――ッ!?」
「さぁ、どうする?」
そんな余裕の笑みのまま、神崎翔は指で私の顔をクイッと上げた。
だんだん、神崎翔の顔がゆっくり近づいてくる。
やばいやばいやばい――ッ!!!!
完全に神崎翔のペースに乗せられた私は、
「わ、わかったから!!! お気に入りでも何でもいいから、ストップ――!!」
と、無我夢中で叫んだ。