俺様王子のお気に入り
そう答えながら、私は机に頬杖をついた。
…彼女か?
別に、私には、関係ないんだけど。
「やっぱ気になっちゃう?」
いきなり美菜がそう言って顔をぐっと近づけてきたから、思わずのけ反る。
「もー、びっくりするじゃん! それに、あいつの事なんか、気にするわけないでしょ!」
「ふーん…」
返事をしながらも意味ありげなニヤニヤ笑いを浮かべる美菜。
「ほんとに、気にしてないからっ!!」
「わかったわかった」
バンッと机を叩きながら言う私に、美菜は適当に返事をする。
「ったく、もう」
そんな美菜に怒りを抱きつつ、私はまた頬杖をついて、考えていた。
――見たことない子って、転入生か?
あいつと喋ってたんだから、あいつの知り合いだろう。
ま、同じクラスにでもならなきゃ、そんな自分には関わりないでしょ。
と、その転入生の事をそう軽く思っていた。