俺様王子のお気に入り
「ねぇ、あの子、C組に新しく転入してきた子らしいじゃん」
「うん。何か、隣の県の病院の娘で、最近までそこに住んでたんだけど、ここの隣町に病院を新しく建てて、そこに移住したんだってー」
「すっごい美少女だね…。悔しいけど翔くんとお似合い」
「ね。翔くんもこの町の総合病院の息子だし。親同士が仲良いのかも」
「親同士…ってことは、まさかいいなずけ!?」
「嫌――――!!! 翔くーん!!」
廊下でその子たちは、あははっと笑っている。
その話を黙って聞いていた私は。