俺様王子のお気に入り
「美菜か…、じゃないよ!! あんた、授業中ずーっと上の空だったね。何回かチラッとだけ確認してたら、最終的に寝てるし。…やっぱ、花咲さんの事気になる系?」
「ち、違うしっ!! 別に、花咲さんと翔のことなんか、全然気にしてな…」
「あっれ~?、私、“翔くん”なんて一言もいってないよー?」
「っ///!」
美菜の言葉に慌てて口を噤んだけど、もう遅い。
美菜はニヤけてるし…。余計なことまで口走ってしまった。
「ま、いいけどさ。自分の気持ちに嘘だけはつかない方がいーよ。…さ、購買にお昼買いに行こ! 私、お腹空いた」
「…うん、行こっか」
鞄から財布を出して、席を立つ。
〝自分の気持ちに嘘だけはつかない方がいい〟、…か。