俺様王子のお気に入り
「…ねぇ、最近、何で翔くんの事無視してんの? 何かあった?」
放課後。
私は美菜と、廊下を歩いていた。
「別に、ない」
そう言って、私は俯く。
鞄につけてある美菜とおそろいの猫のストラップが揺れる。
「あったんでしょ? 最近鈴乃、おかしいよ」
「別におかしくないってば!!」
思わず美菜に向かって叫んでしまった。
みんなが何事かと一瞬振り返る。
言ってから、ハッと我に返った。
何、やってんの。私…。