俺様王子のお気に入り

*翔side*

*翔sibe*




鈴乃の少し茶色がかった瞳には、涙が溜まっていた。


その中の一粒が鈴乃の瞳から零れ落ち、頬を伝う。




「どうしたんだよ…」




マジで、何で泣いてるんだよ……


何があったのか教えろよ…




「っ、べ…つに。あんたには…関係、な…いし。ほっといて」




零れ落ちた涙を、鈴乃は制服な袖で拭う。


何が、ほっとけ…だよ。




「泣きながら言われて、関係ないって言ってほっとけるかよ」


俺は、そう言いながら鈴乃に近づいて、また瞳から零れ落ちた涙を指で拭った。



「や…めてよ…。ばか…」



俺が涙を拭った手を、鈴乃は弱々しく振りはらう。



「やめねーよ」



俺の手を振り払った鈴乃の手を、逆に掴む。



あー… もう無理。限界。