恋イチゴ
「あ……。」
やばっ…バレた。
よりによって、中学からの親友に…。
それは、自分の中に一生しまっておくはずの、気持ちだった。
いつの日か、倉橋に芽生えた想い。
気づいたら、そばにいることが当たり前だった。
独占欲なのか、そばに置いておかないと落ち着かなかった。
蓮は写真をじっと眺めてから、倉橋にその写真を差しだした。
そして、いつものように、なにもかもを見透かしたような目をした。
「大丈夫、言わないから。」
冷静で、余裕のある声。
同学年の男子のように、騒ぎだしたり、はたまた動揺したり、にやついて、いやみったらしくネタにしたり…蓮はそんなこと、これっぽっちも考えてない。
…クールで無口な王子様、か。
それは、ただこいつのルックスが良いからついただけの名前なんかじゃなく、雰囲気も、性格も、周りのやつとは少し…いや、かなりちがうからなのだろう。
大人な考え方。
大人な対応。
倉橋は、それがちょっと悔しくて、目一杯見栄を張った。