恋イチゴ
…しかし…
いざ隣にいるとなると、希祈と蓮の間には気まずい空気が流れていた。
樹のバイト先まで、真ん中に樹を挟んで、3人並んで歩く。
ノーテンキでフレンドリーな樹は、もちろん友好関係も広かった。
蓮とは高校に入ってからの仲で、追試をまぬがれるために、テスト前はずっと先生になってもらっているとか。
樹は相変わらずの調子で、ペラペラと話をする。
希祈はそんな樹の話を、脳の半分だけ使って聞いていた。
もう半分では蓮の様子をチラチラ気にして、蓮のことを考えていた。