恋イチゴ
「はーい。」
いつもと雰囲気の違う、少し大人びた倉橋が、相変わらずけだるそうに近づいてきた。
「倉橋!?」
希祈が驚いて声を上げると、倉橋は"げっ"といかにも嫌そうな顔をした。
「…本当にこいつ連れてきたのかよー…」
倉橋は呆れたように樹を見ると、すぐに店長に向かって、"こいつ大変っすよ"と希祈を指差した。
「ちょ…!だ、大丈夫だってば!」
希祈が必死に否定すると、あまりの慌てっぷりに樹がケラケラ笑って、"大丈夫だよー、蓮もいるしさ"と、蓮の背中をバシバシ叩いた。