恋イチゴ


「はいはい、倉橋くん手伝って!蓮くんは座る!」

長身の店長にぽんぽんと肩を叩かれる。

倉橋はしぶしぶ店長の後について調理場に入った。


すると、急に店長の顔が近づいて、にやにやしたまま倉橋に詰め寄る。

「いやー、青春青春!若いね!」


うんうん、と頷いて、倉橋の頭をぽんぽんと叩いた。


…明らかにおちょくっている。

「学生ですから。若いですよ。」


そんな店長を少しにらむと、倉橋は、ツンとそっぽを向いて、言い放った。

そして、まるで何事もなかったかのように、高い棚からケーキ用の皿を取り出した。


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