恋イチゴ
優しけりゃ何でもいいのかよ
希祈にとってテスト返しというものは、なるべく良い点数をとりたいと願うものではなく。
いつのまにか、赤点でなければ良いというものになっていた。
そしてついに…
「…いっきー、赤点いくつ?」
「今回は1つ!頑張ったんだー!」
誇らしげに胸を張るその手には、真っ赤なペケだらけのテスト。
そして、15点という文字。
「私も…油断していた数学にやられたー!!!」
うわーん!と大げさにひざまずく希祈。
その横で、奈津はさすが赤点同盟、と小さくつぶやく。
すると希祈はひざまずいたまま奈津に擦り寄った。
「…なっちーさまッ!」