俺は初めて彼女を見た。

綺麗な黒髪にキリッとした眉毛、おっきな目にマッチ棒が何本も乗りそうなまつ毛、真っ白な肌、間違いなく学校で一番綺麗だろう。

「ちゃんと自分のクラスに着けた?」


その声はさっき道に迷ってたときに、話しかけてきた女の声だった。


「さっきはありがとう。ちゃんと着けたよ。」


「そぉ。それは良かったわね。」


「君は誰?」


どうしてこんなな事を聞いたんだろう?



自分でも分からなかった。


「私?」


「私は二年の栗原まゆよ。」


「先輩なんだね。」


「あなたは?」


「俺は杉本春。」


「そぉ。」



それ以降長い沈黙が続いた。


「なんでここに来たの?」


「女から逃げてきた。」



それを聞いたまゆはいきなり笑いだした。

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