人形殺人事件
「一人一人殺しかたが違うのに証拠一つすらみつかっていない」
「殺しかたがそれぞれ違うのにですか?」
「殺しかたが違うっていっても、どんなふうに殺しているのかわからないたかんだ」
「は?」
思わず間抜けな声がでてしまった。
「体中に変な形のあざをのこっていたり、殴られたり刃物で刺されたりしたあともないのに目から血を流したり遺体の周りに血が飛び散っていたんだ。」
「犯人がわざと別の血とか撒き散らしたりしたんじゃないんですか?」
「検査したところ全ての遺体と全ての撒き散らされた血はそれぞれ一致した」
「ありえないじゃないですか!ただわけのわからない、あざだけを残してあとは何もせずに遺体の血を撒き散らすだけなんて!」
「だからこの謎に手をだしたんだろ?」
「・・・・」
優人は表情を一切変えず、紅茶に手をだし一気に飲み干す。
「でも・・・いくらこの僕にでも流石に謎が大きすぎるな・・・ただの殺人じゃなさそうだしね」
青井はその言葉に目を一瞬大きく開いたがすぐに頭をかかえだし、優人に視線を戻した。
「でしたら・・・パートナーはいりませんか?」
「パートナー?」
優人は飲み干した紅茶のカップを机に置くと、不安そうな顔で青井に目を向ける。
「優秀ですから頼りになる相手になりますよ」
青井は何か企む顔をしながら、さきほど優人が置いたカップをかたずけだす。
「・・・まぁ使えるというなら、考えてもいいが・・・」
優人はそんな青井の企むみも知らず暢気な顔をしている。
「!、ではすぐ行きましょう!」
「えっまだいいとは・・・・」
優人の言葉を無視し青井は無理矢理、優人を車にのせ一件のマンションにつれていった。
* * *
「ねぇ・・・普通は向こうから来ない?」
「彼は明かりがダメなの、だから昼間は外に出られないのよ。」
「・・・・」
優人は今から自分のパートナーになる人物を想像しだしたら鳥肌がたってきた。
青井は040の番号が書かれたドアの前で立ち止まった。