人形殺人事件
ニコニコとこちらに笑顔を向けられても苦笑いでしか返せない。
(こんなマンションにいるということで信頼感0だけどね・・・・)
優人たちがいるマンションはあまり人目につかない場所に建てられいる。
もう何年も塗り替えていないのかペンキが剥がれ落ちている。崩れてもおかしくないほど、ボロボロで所々ヒビがはいっている。
青井がチャイムを鳴らすと何秒もかからず返事がかえってくる。
【しもし-?】
なんだコイツ・・・
優人から笑顔が消える。
「貴方のパートナーを連れてきたわ」
コイツの・・・?僕のじゃないのか?
青井をおもいっきり睨みつけるが、青井は声のするインターホンと会話中だ。
【わかりました。鍵は開いています。どうぞ中へ】
「・・・・・」
優人が沈黙しているとすかさず青井が口を開く。
「ここからは貴方一人で行ってください」
「は?」
青井に向き直るが、青井は何しているの?早く行ってちょうだい。という顔している。
優人はしぶしぶ中へ入る。
「おじゃま・・・します」
ドアを閉め、部屋に目をむけると、自分にはもっとも見たくない景色が目の前に映っていた。
さっき聞こえていた声の主の姿もなく、そこには殺風景といっていいだろう。ゴミの部屋だ。
たべかすや吐き捨てられたガムが所々に、天井にはいくつかのクモの巣が張ってある。
食べかけのスナック菓子、面がのびきっているカップラーメンも置きっぱなしされている。
「・・・・・・」
優人は悶絶しそうになったが、今にも出そうな悲鳴を堪えて奥へすすむ。
進む度に変な異臭してきた。今まで嗅いだことのない異臭だ。
確かだと思うが茶の間に出たと思う。
(くそ・・・・青井のやつ僕にこんなことを・・・)
と考えている間に身の回りのゴミのような物体を足でどける。
「それより僕のパートナーはどこだ?時間がないからすぐにあってやることをやらなくてはいけないのに」
「俺ですがなにか?」
「うわっ!」
優人はゴミの山に埋もれた。