Distance‐マイナス5cm‐
叶チャンに見られた。
付き合ってる事バレた。
てかバレたって!
あたし別に、悪い事してないし!
でもあんな風じゃなくて、やっぱりちゃんと自分の口から言いたかった。
怒ってたのかな。
あんなに好きだって言ってたのに、いつの間にか違う人と付き合ったりして……。
イイ加減な奴だって思われたかな……。
それに誠。
“俺はのんが大切だから、のんが悲しむ事はしたくない。のんにはいつも、笑っていて欲しい”
あれは、どーゆう意味?
誠はいつも優しくて、誠の所為で悲しむ事なんて無かった。
あたしが今笑っていられるのも、誠のお蔭だし。
恋愛って難しいなぁ。
“ブーッブーッブーッ”
ポケットに入れていたマナーモード中のケータイが震えた。
「叶チャンからだ」
『明日夕飯作って。』
相変わらず一言だけで、絵文字も何もないメール。
でも、叶チャンからこんなお願いをされるのは初めてだった。
でもどーしよう。
これっていけない事なんじゃないかな。
彼氏がいるのに、他の男の人ん家に行くって、ダメな事なんじゃないかな。