Distance‐マイナス5cm‐


叶チャンに見られた。

付き合ってる事バレた。



てかバレたって!

あたし別に、悪い事してないし!

でもあんな風じゃなくて、やっぱりちゃんと自分の口から言いたかった。


怒ってたのかな。

あんなに好きだって言ってたのに、いつの間にか違う人と付き合ったりして……。

イイ加減な奴だって思われたかな……。




それに誠。

“俺はのんが大切だから、のんが悲しむ事はしたくない。のんにはいつも、笑っていて欲しい”

あれは、どーゆう意味?


誠はいつも優しくて、誠の所為で悲しむ事なんて無かった。


あたしが今笑っていられるのも、誠のお蔭だし。




恋愛って難しいなぁ。






“ブーッブーッブーッ”

ポケットに入れていたマナーモード中のケータイが震えた。


「叶チャンからだ」


『明日夕飯作って。』

相変わらず一言だけで、絵文字も何もないメール。

でも、叶チャンからこんなお願いをされるのは初めてだった。



でもどーしよう。

これっていけない事なんじゃないかな。

彼氏がいるのに、他の男の人ん家に行くって、ダメな事なんじゃないかな。
< 106 / 481 >

この作品をシェア

pagetop