Distance‐マイナス5cm‐



「で、何作ってくれんの?」



学校を出て、近くのスーパーでそのままお買い物。




制服姿でカートを押す叶チャンに、それを引っ張るあたし。




周りから見たら、紛れも無く恋人同士に見えるよね♪


もしかしてそれ以上に見られちゃったりぃ〜!?





にやけた顔をなるべく引き締めて、食材探しでキョロキョロしていた目を叶チャンに向ける。





「何がイイ〜?」



あぁー、とワザとちょっと悩んだフリをする叶チャン。



そんな事しなくても、もう決めてる事知ってるよ。




「やっぱアレかな、」




「「ハンバーグ」」




二人の声が重なり、叶チャンは照れ隠しなのか




コホンッ



と咳ばらいをした。






ほらねッ♪




にひひっとあたしが笑ってみせると、叶チャンは顔を赤くしながら、手元にあった合いびき肉をカゴに放り込んだ。





叶チャンは昔から、あたしの作るハンバーグが大好物らしい。
< 12 / 481 >

この作品をシェア

pagetop