Distance‐マイナス5cm‐
「聞いてるこっちが恥ずかしかったわよ。まぁ、誠は胸張って教室入って来たけどね。しかも超ニヤけながら」
結夢はその時の光景を思い出したのか、苦笑した。
さすがバカ殿は、度量が違うらしい。
てか思考が違うのか。
その原因を作ったあたしが言うのも何だけどね。
あたしはオレンジジュースをなるべく上品に飲んだ。
「でもさぁ、そんな奴がよくあたしと二人で帰るの了承してくれたね」
「う〜ん、まぁ何とか」
あたしはオレンジジュースを飲みながら、上目で結夢の話を聞く。
「俺も行く!のんと毎日帰る!って言って、了承してくれないと思ったよ」
「結夢と最近二人で帰ってなかったし、誠も悪いと思ってたんじゃないかな」
「イイ彼氏じゃん」
「ま、まぁね……」
顔を赤くしながらもあたしが素直に認めると、また結夢はニヤけた笑いを浮かべた。