Distance‐マイナス5cm‐
結夢
「ねぇ結夢、この喫茶店って、タカヤンとよく来るの?」
「学校に迎えに来てくれた時には、帰りはいつも寄ってるかな」
「年上の彼氏は大人でイイねぇ♪」
「ま、まぁね……」
結夢はさっきのあたしと同じ台詞を言い、さっきのあたしと同じ様に赤くなった。
可愛い。
こんな結夢を見れるのは、きっとタカヤンとあたしだけなんじゃないかな。
結夢はいつも、誰かに甘えたり、心を許したりはしないから。
「タカヤンともう四ヶ月だね。結夢にしたら最長じゃん!」
タカヤンこと天耶サンは、結夢のお姉チャンが高校生だった頃の同級生で、夏休みに何人かでバーベキューをした時に、タカヤンも来ていたらしい。
結夢とお姉チャンはすごく仲が良くて、いつも一緒に出掛けたりしていた。
結夢よりも四つも年上なのに、何だか可愛い感じで。
結夢とは正反対。
そんなお姉チャンを通じて二人は知り合い、タカヤンの猛烈アタックで、すぐに付き合う事になったらしかった。
でも結夢が、そんなにすぐ付き合うなんてホントに意外で、しかも結夢が四ヶ月も続くなんて、未だに信じられなかった。
嬉しい事なんだけどね♪