Distance‐マイナス5cm‐
結夢


「ねぇ結夢、この喫茶店って、タカヤンとよく来るの?」

「学校に迎えに来てくれた時には、帰りはいつも寄ってるかな」

「年上の彼氏は大人でイイねぇ♪」

「ま、まぁね……」

結夢はさっきのあたしと同じ台詞を言い、さっきのあたしと同じ様に赤くなった。


可愛い。

こんな結夢を見れるのは、きっとタカヤンとあたしだけなんじゃないかな。


結夢はいつも、誰かに甘えたり、心を許したりはしないから。


「タカヤンともう四ヶ月だね。結夢にしたら最長じゃん!」


タカヤンこと天耶サンは、結夢のお姉チャンが高校生だった頃の同級生で、夏休みに何人かでバーベキューをした時に、タカヤンも来ていたらしい。

結夢とお姉チャンはすごく仲が良くて、いつも一緒に出掛けたりしていた。

結夢よりも四つも年上なのに、何だか可愛い感じで。

結夢とは正反対。


そんなお姉チャンを通じて二人は知り合い、タカヤンの猛烈アタックで、すぐに付き合う事になったらしかった。


でも結夢が、そんなにすぐ付き合うなんてホントに意外で、しかも結夢が四ヶ月も続くなんて、未だに信じられなかった。


嬉しい事なんだけどね♪
< 127 / 481 >

この作品をシェア

pagetop