Distance‐マイナス5cm‐



「……怖い?」




更に溢れたあたしの涙と、抱き着いた腕の力に、誠は不安そうに顔を上げた。





「ううん……」





幸せだよ。




嬉しいよ。




誠なら、あたし大丈夫だよ。





そんな想いがいっぱいで、涙は余計に溢れる。




まだ不安そうな顔をしている誠に、あたしからキスをした。




誠はそのキスに応え、あたしの髪を撫でる。




そしてあたしを抱っこして、優しくベッドに下ろした。


「泣き虫。俺だけののんでいて……」



そう呟き、眉を歪めて微笑む誠。



あたしの瞼に、頬に、温かくて優しいキスが降る。






絡まる舌も、指も、委ねた身体だけじゃなく心も、一つになれた気がした。
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