Distance‐マイナス5cm‐
証
朝、カーテンの隙間からさす強い陽射しに目を覚ました。
昨日……あのまま寝ちゃったんだ。
隣を見ると、可愛い寝顔でスヤスヤと眠る誠の顔があった。
昨日……
その事を考えるだけで顔が熱くなった。
てかあたし裸だ!
急いで服を纏おうとすると、左手に違和感があった。
繋がれた手。
寝てる間も、ずっと手、握っててくれたんだ……
誠の寝顔と、その手の温もりが、あたしをどーしようもなく幸せな気持ちにさせた。
でも、ふとその繋がれた左手を見ると、他にも違和感があった。
惜しみながら誠の右手をどけると……
「……あ」
指輪。
あたしの左手の薬指に、銀色の指輪が輝いていた。
うそ……
うそ、うそ、うそ。
これって、これって。
頭が冴える。
涙が溢れる。
嬉しすぎる。
誠の顔を見ると、まだ寝息をたてながらスヤスヤと眠っている。
「おはよ。ありがと…」
その寝顔がどーしようもなく愛しくて、呟いてから、頬っぺたにキスをしてベッドから下りた。