Distance‐マイナス5cm‐


「起きたらのん居ないから、どこ行ったかと思って探しちゃった」


「あ、ごめんね」


恥ずかしさから俯くと、顔を横に向けられ、キスをされた。


「メリークリスマス」


「メ、メリークリスマス」


ニコッと笑う誠に、あたしはまた俯いた。




もう〜。

何でこのお殿様は、こんなにカッコイイんだ。

もうバカ殿じゃないじゃん!!

バカ殿ーず☆解散なんて、マネージャーのあたしが許さないんだから!!




なんて下らない事を頑張って考えてみても、ドキドキは治まらない。


「あの、誠。ちょっと離れてもらえるかな、お願いします」


て、変な言葉遣いになるな、あたし!


もうイヤぁ。


「ヤダ。離れない」


ヤダって!

このお殿様はとんだ我が儘だ!


「お、お願いだから。じゃないと心臓もたな……じゃなくてじゃなくてだね、顔洗えないからね!」


何あたし素直に言っちゃおうとしてるんだ!

あぁー、何かニヤニヤされてるしぃ。


「のんからキスしてくれたらイイよ」


マジですか!?

この状況でそれはちょっと、あたしには難しいんですけど!!
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