Distance‐マイナス5cm‐
それからあたしは、朝ご飯を作る為に冷蔵庫をチェックすると、ちょうどハンバーグの材料があった。
誠、ハンバーグ好きって言ってたし。
その間に誠にはお風呂に入ってもらおうと提案すると、誠は意気揚々とお風呂場へ向かった。
でもほんの10分くらいで出てきて。
濡れた髪と石鹸の香りが、いつもと違って見えたから……。
あたしはドキドキしちゃって、玉ねぎを切る時に指も切りそうになった。
でもそれは、涙の所為だって言い訳した。
それから誠も手伝ってくれて、誠の手で形作られたハンバーグは、いつもよりも大きな物が出来上がった。
でもハンバーグも、クリスマスプレゼントの香水も、誠は凄く喜んでくれた。
あたしが誠に似合うと思って選んだ香り。
誠が選んだペアリング。
あたしの首筋にあるキスマーク。
それは二人の、色んな証……。