Distance‐マイナス5cm‐
脅威
気付いた事。
どーしようもなく誠を好きになってしまった事。
独占欲が異様な程強くなってしまった事。
あたしが頑張る事で、知らず知らず叶チャンの彼女達にしてきた罪の数々。
そして、ホントに怖いのは美姫じゃなくて、不安に押し潰されそうな自分だって事。
でもどーしてだろう。
叶チャンの時は、こんな事思ったりしなかった。
――叶チャンをそこまで好きじゃなかったから?
ううん、それは違う。
叶チャンはあたしの事なんて好きじゃないって、あたしが好きになってもらう為に頑張るんだって思ってたから。
ずっと一緒に居たのはあたしだったし、彼女が出来ても、あたしを優先してくれたから。
ただ何と無く、叶チャンの彼女達よりは優位に立ててる。
そんな気持ちがあったし、そうじゃなくても、あたしが好きだって思ってるだけで良かった。
――じゃあ誠は?
何でだろう。
誠はあたしを好きなんだからって、誠もそう言ってるし誠はあたしの彼氏だし、誠はあたしのなんだからって思ってるから。
ただの、独占欲。
最低だ。