Distance‐マイナス5cm‐



始業式も終わって、今日から新学期。

こんな日くらい、授業なんてしなくてイイのに。


なんて思いながら、もう昼休み。




「そんなの気にしなくてもイイじゃん」


「でもさぁ、スッゴい可愛くて、しかも誠の事超好きみたいなんだよね」


「何かあったわけじゃないんでしょ?幼なじみでずっと一緒に居たのに、付き合ったりしてないってのは、誠に取ってその娘は眼中にないって事なんじゃないの?」



――う、その言葉、前のあたしだったら死ぬ程凹んでた。


さすが毒舌女王様。



「何かあったか無いかは、何も聞いてないから知らないんだよね。ただ誠は、恋愛感情はないって言ってたけど……」



クリスマスの日にそう言ってくれたけど、過去に二人がどんな関係だったのかなんて事までは聞いてない。


てか、聞けない。



もし何かあったなら……



そんな事、考えるだけでも嫌だ。



「もう、年明け早々もっとイイ話はないの?」

結夢は、空になったいちごオレのパックをごみ箱に投げ入れた。


「じゃあ結夢の話聞かせてよぅ」

「あたしの話聞くのは、のんにはまだ早過ぎるよ」
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