Distance‐マイナス5cm‐
もぅッ!!
結夢はいつもそう言って、自分の話は中々したがらない。
どこまで秘密主義なのかしら。
と言うか、相談するのはいつもあたしの方で、結夢からはそーゆう話してこない。
「結夢も誠も大人だ……」
「何、いきなり」
何でもな〜い。
と心の中で呟いて、机に突っ伏した。
不安とか、辛い事とか、何で自分の中だけで解決できちゃうんだろ。
あたしは泣き言聞いてもらわないと消化できない、弱い人間です。
「のん見てると、羨ましいよ……」
結夢が呟いたその声は、昼休み終了のチャイムが掻き消した。