Distance‐マイナス5cm‐
16歳
「ゆ、結夢、これは……」
「ん?誕生日プレゼント」
いや、そーじゃなくて……
「この、フリフリでスケスケな下着は何でしょう」
「だから、のんの誕生日のプレゼントだってば」
いや、だからそーじゃなくてね……
二月、あたしの16歳の誕生日。
誕生日おめでとう。と渡された、綺麗にラッピングされたピンクの袋を、ウキウキ気分で開けると、その中には白いスケスケでフリフリの下着が入っていた。
これを、あたしにどーしろと……
結夢の冗談はいつも笑えない。
というか、冗談をあまり言わない結夢が、たまに言う冗談は、シャレになってない。
「一つ大人の階段を上ったんだから、そのくらいの下着持ってなきゃよ」
は、はぁ……
て、こんな下着着けてる16歳の女子高生なんていないでしょ!
「ま、あたしはそんな下着、一生着る事はないけどねぇ」
ならそんなもん誕生日プレゼントにするなッ!!
「てか早くしまった方がイイんじゃない?みんなチラチラ見てるわよ」
周りを見渡すと、クラスメート達があたしの握っている物を遠慮がちに見ていた。