Distance‐マイナス5cm‐
「ったく、ロリは可愛くねーなぁ。もっと素直になれよ、捻くれ」
ピロリンは溜め息混じりにボソッと言った。
確かに、今のあたしは可愛くなかった。
ちょっとしょんぼり。
「何言ってんだよ、のん超可愛いだろ」
誠はそう言って、あたしの肩を引き寄せた。
「ちょッ、誠ッ……」
恥ずかしいってば!
ここ学校だってば!!
クラスのみんなは、赤い顔してるあたしをチラチラと見てる。
はッ、恥ずかしい!!
「中條クン、このバカップルに惚気るチャンス与えないでよ」
「すいません」
やれやれと首を横に振る結夢に、苦笑するピロリン。
あたしは別に惚気てないじゃん!
「もうバカ殿の所為であたしまで言われるじゃん!」
あたしはその恥ずかしさを、誠にぶつけた。
でも誠はニヤニヤ笑ってる。
「イイじゃん、バカップル」
ダメだこりゃ。
そんな事をしていると、叶チャンが教室に入って来た。
それと同時に、あたしの肩を抱く誠の腕に、力が入れられた。