Distance‐マイナス5cm‐
お風呂から上がり部屋に戻ると、真っ先にメールを確認した。
『新着メール2件』
1件は誠だろう。
じゃあ、もう1件は……
ドキドキして、ボタンを押す手が震えた。
キュッと目をつむり、思い切って受信BOXを開く。
そーっと目を開けると、1件は案の定誠からで、そしてもう1件は……
……誰だろう
知らないアドレスからだった。
少しホッとしたような、残念なような気持ちになりながら、そのメールの中身を確認する。
『叶一、あんたの事迷惑がってるから付き纏わないで。幼なじみだか知らないけど、フラれてんならいさぎよく諦めれば?見ててかなり痛いよ、あんた。』
……え
携帯を持つ手がまた震えだした。
でもさっきみたいな震えじゃなくて……
ズキズキする…
心臓が痛い…
何で?
誰が?
視界がぼやける。
「…わ…かってる…もん……。わかってるもん…」
叶チャンの迷惑になってる事なんて、自分が一番分かってる。
そう、改めて思ったら、涙がとまらなくなった。
叶チャン、今あたし、泣いてるよ。
叶チャン……