Distance‐マイナス5cm‐
早川サンが、あたしに残していったモノは、とても大切な事のような気がする。
でも、今のあたしにはまだよく分からない。
ただ、あたしは今、あんな笑顔で叶チャンの事を人に話せるかな。
あんなひまわりみたいな笑顔を、向けられるかな。
辛い時もあるけど幸せって、あんな笑顔で言えるかな。
分からない……
「のん、お待たせ」
と言って戻ってきた誠の声がしても、一人カラオケ中でも、あたしは上の空だった。