Distance‐マイナス5cm‐

気付いたら、涙と一緒に、家の事を全て話していた。


鳴咽まじりに話す、脈絡のないあたしの話を、誠ママは静かに聞いてくれた。




誠ママが、そんなあたしに残してくれた言葉。






“親の人生に干渉しちゃいけないなんて事はないの。親は、親になった時点で、子供と人生を共有していくものなの”





“親は子供の事分かったつもりでいたり、子供は、親は何も分かってないって思っていたりするけど、本当にその通りの事もあれば、その逆の事だってあるのよ。でもそれは、ただお互いに擦れ違っているだけ”





“親の前で、強くなろうなんてしなくてイイのよ。ちゃんと、自分の気持ちを伝えるの。全部、それからよ”




“私はのぞみチャンの事、誠と同じくらい大切に想ってるから……”










お父さん、お母さん、あたし、あなた達二人の事、大好きです。



たった一人の、あたしのお父さんとお母さんだから……



どっちがイイなんて決められないし、離れたくない。





寂しいよ。



悲しいよ。









あたしはそう言っても、イイですか?
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