Distance‐マイナス5cm‐

「大好きなの!!ずっとずっと大好きだったの。だから、付き合って!!」




三月


中学の卒業式



三年間お世話になった校舎や先生に挨拶を済ませた後、あたしはずっと大好きだった人に告白した。


顔を真っ赤にして、それでも恥ずかしさを押し込めて勇気出して言った。








なのに……






「…………は?馬鹿じゃねーの」







……玉砕




てか馬鹿って……!



迷惑そうに、あたしを冷めた目で見る愛しい人。





「じゃ、寒いから帰るわ」


そう言って、愛しい人はさっさと歩き出す。





ちょ、ちょちょッ……!


待ってよ待って!!



「叶チャッ……!」



あたしが縋る思いで手を伸ばしてみても、振り返りもしない愛しの幼なじみ、霧島叶一。






何でッ……



卒業式に告白って、あまりにもベタだった!?


でもそこまで冷たくしなくてもイイんじゃない!?


一緒の高校行く為に必死に勉強して!


叶チャンだって勉強教えてくれて!


合格発表の時は一緒に喜んでくれたじゃん!!
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