Distance‐マイナス5cm‐
花火大会




「夏休みって、何でこんなに課題が多いんだろう」


「休みが長いからだろ」


「休みなんだから休ませて欲しいよね」



真夏の昼下がり。


テーブルを挟んで向かい合うあたしと誠。


テーブルの上には、筆記用具とオレンジジュースと、テキストの山。


あたしはそのテキストの山に顔を埋めた。






夏休みも中盤。



今日は夜から花火大会がある。


にも関わらず、あたし達は夏休みの宿題をやっている。



宿題なんてホントはやる気もなかったんだけど、さすがにあの成績で未提出はヤバイ。


て事で、誠の家で勉強会をしている。




「そーいえば美姫、夏休みに入ってから一回も遊んでないんだけど……寂しい」



あの昼ドラ口調を恋しく思う日が来るなんて思ってもみなかったな。



何してるんだろ。


結夢も、あの海に行った日から何だか様子が変で、せっかくの夏休みなのにあんまり遊んでない。



ピロリンと何かあったとか?




いやいや、結夢がピロリンの言う事気にするわけないよね。



タカヤンと何かあったのかな……
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