Distance‐マイナス5cm‐
花火が上がる時間になっても雨は上がらず、外からは
ザーーー……
という雨の音だけが聞こえる。
雨が止んだら、花火上がるかも。
て事で、誠ママお手製の夕ご飯をご馳走になりながら、雨が上がるのを待っていたけど、花火大会終了の時間になっても雨は上がらなかった。
誠に家まで送ってもらい、自分の部屋で、ベッドの上でゴロゴロしながらくつろいでいると、雨は止んだ。
ホンットに空気読めない!
雨のバカ!
天気に文句を垂れていると、枕元に置いた携帯に、メールが届いた。
受信BOXを開くと
叶チャン……
叶チャンとは夏休み中、一回も連絡を取っていなかった。
ひどく、久しぶりのような気がした。
『今から外出れる?』
え、外?
何だろ。
相変わらず一言だけのメール。
あたしは返事を送らず、取り敢えず外に出てみた。
玄関の戸を開けると、熱と湿気でモァッとした空気が、気持ち悪かった。
外に、何があるんだろ。