Distance‐マイナス5cm‐
叶チャン……
わざわざ来てくれたんだ。
その顔に少し怯えながらも、来てくれた事が嬉しかった。
そして、一番伝えたい言葉を考えた。
「ごめん…。叶チャン、あの……」
でも、どうしても次の言葉が出てこない。
笑顔で、
「ごめんね。叶チャンの迷惑になるような事はもうしないから。これからも幼なじみとして仲良くしてね」
って言うつもりだったのに。
今日一日、ずっと頭の中で考えてたのに。
「あの…ね……………」
「………………………」
気まずい沈黙が流れる。
どうすればイイのかな。
もう、自分の不甲斐なさに泣きたくなった。