Distance‐マイナス5cm‐
「ハンバーグは得意中の得意なんだから。ねッ、叶チャン」
斜め後ろに座る叶チャンに顔を向け、同意を求めた。
叶チャンはあたしの作るハンバーグの美味しさを知ってるんだから。
叶チャンはあたしと目を合わせ、すぐに目を伏せた。
そして一言
「……やめとけ」
「ほらねぇ♪」
……て、え?
やめとけって言った?
「ロリ駄目じゃん」
ピロリンは「やっぱりな」と言って苦笑した。
何で何で!?
あたしハンバーグ作るの上手いよねぇ!?
叶チャンに顔を向けると、そっぽを向かれた。
結夢はそんなあたし達を見て苦笑している。
何でよぉ!?
叶チャンの所為で、あたしの株大暴落。
まぁ、元から安い株だけどさ。
叶チャン、ヒドイわ。
そのままあたしがハンバーグを作る案は棄却され、一通り役割が決まったところで、ロングホームルームは終わった。
あたしと結夢はメイドサン。
叶チャンとピロリンもボーイサンに決まった。
叶チャンと結夢を表に出すのは、明らかに客寄せね。