Distance‐マイナス5cm‐
「のんは午前だけなんだろ?」
「うん、もうすぐ終わるからちょっと待っててね」
結夢の計らいで、あたしの仕事は午前だけになった。
結夢は回りたい所もないらしく、午後もクラスの手伝いをするって言ってた。
叶チャンもピロリンも、午後もやるらしい。
あたしだけ文化祭を満喫しちゃうのは悪いなぁと思ったんだけど、あたしが居る方が効率が悪いと言われてしまった。
わざとそう言ってくれた事、分かってるけど、ここは甘えておこうと思う。
誠も、あたしがいつまでもこんな格好してるのは、きっと嫌がるだろうしね。
「それにしてもあそこら辺は凄いな」
誠と宮下クンにジュースを持って行くと、宮下クンは溜め息を吐きながら、叶チャン達三人が居る方を見て言った。
「美形揃いだからねぇ」
叶チャン達が動く度に、お客サン達は目で追っている。
何でそこにピロリンが入ってるのかは理解できないけど。
あ、便乗してんのか。
納得がいった所で、あたしの仕事の時間は終わった。