Distance‐マイナス5cm‐
「う、うううん!イイよッ!!」
仲直りだよね!
あたしは机に手をついて、勢いよく立ち上がった。
あまりに勢いよく立った所為で、椅子が倒れたような気がしたけど気にしない。
叶チャンはそんなあたしを見て笑って、
「ほら、行くぞ」
て、机の脇に掛かっていたあたしの鞄を持って歩き出した。
――ドキッ
そんな行動を当たり前の様にするから、また叶チャンの事が大好きになって……
ほら、こんなにドキドキして、幸せな気持ちになれるのは、やっぱり叶チャンにだけ。
この気持ちを抑えなきゃならない歯痒さを、必死で押し込めた。
「ま、待ってぇ!」
そしていつもの様に、叶チャンの背中を追い掛けた。