Distance‐マイナス5cm‐
「あたし凄く嬉しくて、美姫チャンの優しさ、絶対忘れません」
綾チャンは優しく微笑んだ。
美姫は変わったね。
美姫は、本当はとても感受性が強くて、沢山傷付いた分、刺が出来ていて。
そんな自分に嫌気がさしていたのに、どーしたらイイのか分からなくて。
ただ寂しくて、人を傷付けたりもしていた。
だけど、もう刺は無くなってきてる。
沢山傷付いた分だけ沢山人の痛みが分かる、ホントの優しい美姫が見える。
そう思ったら、シンデレラを演じられるのは、きっと美姫しかいないんじゃないかなって思った。
舞台の上でシンデレラを演じる美姫を、凄く誇らしく思ったんだ。