Distance‐マイナス5cm‐
誠の顔が近付いてきて、目をとじる。
深いキスを交わしながら、あたしは誠の首に腕をまわした。
あたし、やっぱりずっと会いたかった。
寂しかった。
こんなに会わないの、きっと初めてだもんね……。
誠の指が、チャイナドレスのスリットにのびた。
それでもあたし達はキスをやめない。
その時――……
「のんーー!!」
ドンドンドン
っと、あたしを呼ぶ声と一緒に、激しくドアを叩く音が聞こえた。
この声は、結夢。
あたしと誠は顔を見合わせ、ドアに視線を向けた。
「のん居るんでしょぉ!?」
ドンドンドン
またあたし達は顔を見合わせ、ベッドから下りてドアを開いた。
そこには青いチャイナドレスを着た結夢が、慌てた様子で立っていた。
どーしたのかと聞いたら、
「チャイナドレスで皆と写真撮ってたら、キー持って出るの忘れちゃって。もうすぐ点呼だし。テヘッ」らしい。
いや、テヘッとは言ってなかったけど、そんな感じだった。